1ミリの後悔もない、はずがない

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一木けいさんの小説を読みました


読み終わったあと、ヒリヒリしてソワソワした。
だいぶありきたりな感想で、ごめんなさい

でも苦しくて、

「あれ?私、学生時代日記書いてた?」ってくらい、私のことかと思った。




思い出した恋がある。
切ないね、切ないな。
刹那的なせつなさが突き刺さる



私が思ったのはさ、
恋にも愛にも、
理由がないとダメだって思ってたの
でも今、全然違くて


「顔がタイプ」「可愛くて小さいから好き」
「優しいから好き」「賢いから好き」
「背が高いから好き」
そんなのじゃなくて

「好きになりそうって思った」
「見た時にグッと来た」 そう思われたい

エピソードは後でいい
好きになりそうって一目で思われたいな
その方が、恋じゃない?

理由なんていらない なんて思えないなんて嘘
理由も根拠も証拠もいらない



難しいことは後でいいから、
直感で、感じて欲しい



思い出は美しくなる。大抵ね。
思い返すよ、いつでも

桐原みたいな人に、恋をしていた、幼い私。

私の中では永遠に。
だって「私が知り得るあなた」は、
「私の前でのあなた」だから。

ほんとうは、酷い人だって知ってたよ。
だけど言わなかった。責めなかった。

今の私なら絶対、責めてた。
なんであの時怒らなかったんだろう

でも本当にあの日々は
愛されてたなって思うんだ。
生きてて初めて実感したし、
あれからあなたみたいに愛してくれた人、
いなかったと思うくらいには。
おままごとだったけど。

幸せってこういうことなのねって
わかったような気がしていた

いつもの時間に連絡が来なくなったこと
じーっと耐えた夜も、
教室で大泣きした朝も。

未だに憶えてるんだよ、気持ち悪くてごめんね。

他の人には怒れたけど
あなただけには怒れなかった。

嫌われるのが怖いとかじゃなくってさ
人ってその人の正しさで生きてるでしょ
その人がその人であるから好きだったの。

変わらないでいてほしかった。



暑い夏の日の赤色
蜃気楼にゆらゆら揺れる後ろ姿
パイプ椅子3つ並べていつも寝ていた
片想いのときはこっそり目で追ってた


寝ぼけた顔してるのに、
急にかっこいい顔になったり
私を呼ぶ時クシャッと笑って優しい声になるの
好きだったな
付き合うまで私のこと、
苗字ですら読んでくれなかったのに。
っていう私も、その雰囲気に気圧されて
滅多に話せなくて
同い年なのに苗字にくんって
つけて呼んでたけど。

もう何万回も忘れようとしたのに、
忘れられないね

あの日々があったから、その後どんなに人に言えないような絶望があっても、私は生きてこられたのだと思う。

そんな日々は、またくるのかな?
来たらいいけど、来なくてもいい。

変わらないでと願いながら、
変わりゆく私を許してね


いつだって思い出は綺麗で
苦しくなるね、悔しくなるね。



失った人間に対して1ミリの後悔もないということが、ありうるだろうか。