生きてるだけで、愛。
自分を見ているようで、気がつくと
頬を伝う涙が膝を濡らした。
生きているだけで疲れてしまう。
息することすら億劫で。
それでも寧子は、死のうとしたり
してなかったところに、私は
寧子の根本的生きづらさを感じた。
わたしは、私達は、軽率に死にたくなる。
死ねはしないのに。
死んでしまう人も居るけど、
消えてなくなりたいと強く願う夜を、朝を、
幾度となく超えた。
「つなきは、わたしと別れられて、いいなぁ」
寧子が、2回目にいいなあと言った時。
とても切なくて、苦しくて。
生きたくて、生きたくて。
諦めない、ともまた違う
寧子は、強い。
強くて、儚い。脆くて、硬い。
生きることを続けようとするから
苦しくて辛い、
もがいているから、溺れてしまう。
誰か、海を。が浮かんだ。
生きてるってだけで愛し合おうよ。
寧子にとってはさ、
生きてることだけは。美しく譲れない
それだけが、救いだったのだろう。
わたしがわたしであるということを
あなたがあなたであるということを。
ちゃんと分かち合いたい、
それが愛なのであれば、
生きてるってことだけが確かな、揺るぎない愛
幸せが何かなんて分からなくていいから
どうかあなたを優しく包んで
生きてるってだけで愛されるべきなのだから。
なんかわかんないけどキレイなものが、
また見たいと思った。
