Remedy
「災害に遭う」ということ。
台風でただでさえ倒木などの被害があり、その直後の災害だった。
私の住む場所は、震度こそ高くなかったけれど、なぜか私の家の区画だけ30時間以上電気が復旧しなかった。
「ひとつ先の信号はついているのに、どうしてここだけつかないんだろう。」と、不安な夜を2度迎えた。
それまで、どこかで地震があっても、正直、大変だなぁとか、大丈夫なのかな、とかそのくらいは思うけど、自分のその時の行動とか気持ちとか、思い返すと、今ならすごい自分が嫌いになりそうだった。のんきだった。
ふつうの毎日 守っていくこと
この3日間ずっと、この言葉だけが頭に残った
天災は、誰も悪くない。
でも怖いものは怖い。
いざ、次の地震に備えて避難の準備をしようとしても、腰が動かなかった。
何が必要なのか、頭ではわかるのに、準備できない。
準備したくないんだ、と思った。
「もう地震は来て欲しくない」
「怖い」
「忘れたい」
「なかったことにしたい」
そんな弱い私が、全てを邪魔した。
停電中、早い段階で、電池式のモバ充があるからとタカをくくっていたら、それが壊れた。
54%。
次の「何か」のことを考えると何もできない。
明日の朝には復旧するかも、
昼には、夜には。
復旧しなかった。
その時、私がどれだけ文明に頼って生きているのかを実感した。
同時に、近くの営業しているパチンコ店や、煌々と光る夜中の電光掲示板が憎くてしょうがなかった。
でも、今思うと、みんな、ふつうのまいにちを過ごしたかったのだ。と思った。
誰も悪くない。災害は、誰のせいでもなくて。
でも確かに色々なものを変えて、奪って。
普通の毎日を過ごすこと。それは、強さでもあり、弱さでもある。
私たちは、自分の命だったり、誰かの命だったり、自分が大切にしてきたものを守る。守ろうとしている。
大丈夫だよ。私も。みんなも。
きっと今は、まだわからないことへの不安や恐怖が勝ってしまう。しょうがないよね。
だって本当にあったんだもん。めちゃくちゃ揺れたよね!マジでドチャクソ怖すぎたよ!!!
なかったことにできたらいいけど、できないよ。
たくさんの尊い命が奪われて。
いつもの毎日になんてなれないよね。
だけどそうなろうとしているみんなはとても強いよ。負けてないよ。大丈夫だよ。偉かったね。頑張ったよ。
坂本真綾さんのRemedy。他にも力をもらえる素敵な曲がたくさんあるので、聴いてみてね。
きっと大丈夫だよって、言い聞かせる。